かんきょう「組写」ブログ

ペットボトルリサイクルシンポジウムに参加

2014年12月23日

一週間ほど前、容器包装3R推進フォーラムの投稿をしましたが、昨日、容器包装の中でも急速に普及したペットボトルの店頭回収に焦点をあてた経産省主催の「ペットボトルリサイクルシンポジウム」に参加させていただきました。

シンポジウムの趣旨は、容器包装リサイクル法(以下 容リ法)の施行後、97%の市町村がペットボトルの分別収集を実施するようになりましたが、これからは市町村の回収ルートの他に、事業者による「店頭回収」で積極的に回収ルートの拡大を図り、消費者の利便性や回収率の向上に取り組むため、「店頭回収」の事例を検証しながら意義を深めるというものです。

容リ法は、消費者に市町村が定める分別収集基準に従って分別排出を、市町村には家庭から排出される容器包装の分別収集と保管を、そして事業者には利用した容器包装の量に応じて再商品化の義務を負わせるという、消費者・市町村・事業者の役割分担をはっきり決めている法律です。

ペットボトル 003

役割分担の中に市町村の分別収集・保管がありますが、市町村が担当するということは私たちが納める税金によってサービスの提供がなされるということ。容リ法施行後、国民の無銘な活動によって、いままで廃棄物として処理されていた容器包装のごみが資源化されるようになりましたが、元々容積比で廃棄物全体の60%を占める容器包装のごみですから、分別収集と保管に多くのコストが必要になりました。容器包装のごみを減らし、資源としてもう一度使える仕組みをつくりましたが、同時に社会的コストの改善や見直しという新たな課題も見つかったというわけです。容リ法に限らず、社会の仕組みの改善策として機能するはずの法律も、なかなか机上の計算通りに進まないこともあるようですね。容リ法も完全施行から5年後にあたる平成18年に法の見直を行いました。

労働人口の減少が予測される中、税の収入だけで必要とされる社会保障を十分に賄うことは厳しく、廃棄物処理やリサイクル分野も、私たちが納めた税金による市町村を通したサービス提供の在り方を、今一度見直す時期ではないかと思っています。

他方、店頭回収自体は1980年代から市民による牛乳パックの回収が、90年代には白色トレイの回収がはじまり、目新しいものではありません。先ほど、国民の無銘活動という表現をしましたが、日本は世界の中でも特にインセンティブ (やる気を誘発するもの) が働かなくても、生活の中から高品質な原材料が集まります。時間はかかりますが、こうした地道な日常が環境に配慮する意識や行動につながっています。ペットボトルの店頭回収もこうした効果を期待していると感じますし、ペットボトルが環境に与える負荷や貢献について、より深く考えてもらえる礎になればと思います。

私たちも、【かんきょう「組写」フォトコンテスト】をはじめ、行動をおこしていくきっかけとなる情報を創りだす活動を展開しているので、さまざまなシンポジウムにこれからも積極的に参加して、仕組みや社会動向の見方、視点を鍛えていきたいと考えています。

 

 


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